社内DXで組織を強くする――現場を動かす“支援役”たちの挑戦
経歴と入社の経緯
―― まず最初に、自己紹介をお願いします。
永嶋 プロダクト開発統括2部(以下PD2)で部長をしている永嶋と申します。私がRIZAPグループ(RIZAPテクノロジーズ)に入社したのが2022年1月でしたので、もうすぐ4年になります。
キャリアのスタートはSIerのアプリケーションエンジニアで、プログラミング、設計、テスト、要件定義などを経験し、アプリケーションアーキテクトやPL/PM業務へと広げました。
30歳頃にはラインマネージャーも務めています。担当した開発は大手銀行のシステム開発(複数年規模)や大手ポータルサイトの開発などです。
―― そこから事業側に寄っていく転機があったんですか?
永嶋 はい。30代で「事業視点でシステムを作りたい」という思いが強くなり、BtoBのマーケティングリサーチ会社に転職。そこでリサーチシステムを管掌したのち、2022年にRIZAPグループに入社しました。入社当時はDXを立ち上げたばかりで、部長陣も少人数からのスタート。
明確な担当を固定せず社内を回り、手作業に頼っている業務を見つけては「効率化・自動化で楽にできないか」を方針化しました。採用で人員を集め、現在に至っています。
今はPD2の部長に加え、情報システム部の部長、グループ会社「REXT」のDX推進本部長も兼務しています。自動化のための情報収集・関係部署との連携を広く担っており、大変ですが充実していますよ。以上が経歴です。
―― なるほど。他社と比べてRIZAPテクノロジーズを選んだきっかけはありますか?
永嶋 自分としてはtoCの事業に関わりたい思いがあったんです。RIZAPグループはボディメイクに限らず広いヘルスケア領域と複数のグループ会社を持ち、データやシステムも多様です。1社で多くの経験を積めるというところ魅力を感じ、入社を決めました。

PD2の役割(社内DXの要)
―― あらためてPD2の役割を教えてください。
永嶋 PD2は、グループ全体(RIZAP株式会社、RIZAPグループ、コールセンター等)に関わるDX推進を担当しています。目的は従業員の業務負担を減らすこと。業務の効率化・自動化をミッションとして遂行しています。言い換えると、PD2のお客さまは社内の従業員です。日々「面倒」「時間がかかる」と感じている業務をどんどん自動化していく役割です。
―― 「PD2は地味」という声も耳にします。PD1との違い、どう見ますか。
永嶋 考え方と役割の違いですね。PD1はtoCの最前線で、たとえばchocoZAPアプリのように会員120万人規模(※2025年11月現在)に届くプロダクトを手掛け、売上に直結する取り組みが多い。
一方PD2は従業員の業務を支える立場です。自動化・運用効率化で作業時間を短縮し、浮いた時間を新規事業や新しい取り組みに振り向けてもらう。結果として運用費の最適化や新施策の創出につながり、フロント側(PD1)の成長も後押しする、そんな循環です。
派手/地味ではなく、性質と貢献ポイントが違うだけだと思います。
―― RPGでいえば前線で戦う剣士と、後方から支援する魔法使いとの役割の違い、という感じですね。
永嶋 まさに私たちは支援役です。現場を強くし、疲れにくくする――そういう役割です。
キャリアパスと求める人物像
―― キャリアパスはどんなイメージでしょう。
永嶋 基本はエンジニア職で、まずプログラマーからスタート。経験を積んで設計・テスト・要件定義など上流へ担当を広げます。さらに先は、技術を極めてアプリケーションアーキテクトを志向する道、または案件を推進するプロジェクトリーダー/プロジェクトマネージャーの道が主流です。
一部メンバーは企画など事業サイドへ進むことも可能で、事業会社ならではの選択肢があります。スピード感は当社の強みで、できる人には早く大きな役割を任せます。多様なスキルを持つ中途が集まっており、新卒は多方面から技術を学べます。社内には課題が多く、挑戦機会が豊富です。積極性があれば成長速度を存分に出せる環境だと思います。

技術スタックとAI活用
―― 技術面も伺います。採用しているアーキテクチャは何ですか?
永嶋 「業務アプリケーション開発」と「RPA開発」の2本柱です。業務アプリはAWS上に構築し、マネージドサービスを活用。主要言語はPython、フロントはReact/JavaScript、AWS CDKはTypeScriptが中心で、要件に応じて最適技術を選定します。
RPAはMicrosoft Power Automate for Desktopを主に用い、VBA等も併用して自動化・効率化を実装します。
共通してAI活用を進めています。要件整理からコード生成、テスト自動化まで対話型で高速化。RPAでもプロンプト主導の構築を模索中で、今後は複数サービス連携のAIエージェント開発が重要になります。
―― AIは具体的にどの部分に関わっていますか。
永嶋 会社全体でAI研修を行い、まずはChatGPT等に慣れてもらっています。開発プロセスでは要件からプロンプトで設計・実装を進めたり、テストの自動化を進めたりと高速化が進行中です。RPAでもノーコードより軽い発想で、プロンプト駆動を取り入れています。今後は各領域でAIエージェントを開発し、業務自動化を加速させます。
―― 続いて、新人の働き方について教えてください。最初の流れは?
永嶋 まず研修からスタートします。PD1と大きくは変わりません。最初は技術を広く知ってもらう目的で、業務アプリケーションとRPAの両方に触れてもらいます。数か月かけて実務を通じて学んだあと、適性や状況に応じて本配属を決めます。
―― 早い段階で両輪に触れるんですね。
永嶋 はい。固定配属というより、キャリアは人それぞれです。幅広くやりたい人は、時期をずらしてチームを移ることもありますし、逆に「業務アプリ専任」「RPA専任」で深める道も選べます。本人の志向や特性で選べるのが特徴です。
―― 配属後の育成はどう運用していますか。
永嶋 2~3年目以降も育成は続けます。いまはAIに聞くのが最速な場面も多いので、疑問があればまずAIで当たりを付け、必要に応じて先輩に確認――という進め方が効率的です。
―― 働き方はリモート中心ですよね。コミュニケーションはどうしていますか?
永嶋 基本はリモートワークです。毎朝の朝会や定例、都度のオンラインMTGで密にやり取りしながら開発を進めます。会議の時間と集中時間を明確に分けやすいのがメリットで、むしろ生産性が高いケースも多いです。関東圏に限らず、各地の優秀な人材が参加できるのも利点ですね。
―― リモートに不安を感じる新人もいそうですが。
永嶋 心配はいりません。困ったらチャットで素早く相談できますし、チーム・先輩・事業部ともオンラインで密につながっています。実際、「顔を合わせないと無理」ということはありません。必要なタイミングで必要な人に届く仕組みが回っています。
―― なるほど。日々は「MTGで合わせる→各自集中→また合わせる」のリズムなんですね。
永嶋 そのイメージです。ミーティングで方向をそろえ、合間は腰を据えて実装。シンプルですが、いちばん力が出る進め方だと思います。
――今日伺った話の要点をまとめると「支援に特化したDX」「AI前提の開発」「挑戦機会の多さ」になりそうですね。
永嶋 その通りです。
―― 本日はありがとうございました!